注意書き〜 今回のプレイは、GMから見れば完全なる失敗であった。リプレイも、読み物として楽しいものとなったか、自分では判断ができない。だが、反省の意味ではいい読み物となっているはずだ。途中で(注)と書かれているところは、RPGとして正しいかどうかにもなっているので、できれば返事をいただき検討したい。

 では、今回のリプレイをお楽しみください!

第五話 貪欲なる魔の神

 前回からの経験点で、それぞれ

 シルフィー シャーマン3→4

 グリシーヌ ファイター1→2

 ギャラック プリースト(マイリー)3→4

 となりました。これでグリシーヌが先頭に立てるようになったので、戦力が上がったと言えるでしょう。これからはなかなかレベルが上がらなくなってきます。次回、どのようにレベルを上げるかが楽しみですね。

GM:リプレイの第二回目をはじめるぞー。第四話から第五話までの間にした事は、シルフィーのランタンに〈〉でサラマンダーを宿したことだね。

シルフィー:わ〜い、メラメラぁ〜(←シルフィーのプレイヤーは、最近ルナルのリプレイを読みあさっていた)

グリシーヌ:私のペットはここ(背中に何かをかつぐジェスチャー)

ミーちゃん(グリシーヌの使い魔):にゃ〜ご。

シオン:で、現状はどうなっているんですか?

GM:のらりくらりと旅をして、ようやくエレミアに着いたよ。

ギャラック:街はどんなようすかのう?

GM:こう、ブワッ! と人が並んでいて…何かの祭りが開かれているようだね。

シオン:安売りとかしているでしょうか?

GM:うむ。催し物は東西南北にわかれていて、バザーが西の地区に広がっているらしい。

シルフィー:お祭りぃ〜♪

ギャラック:わしは何で祭りが開かれているのか、街の人に聞き込みをするぞい。『祭り祭りと騒いでおるようじゃが、これは何を祭る祭りなのじゃ?』

GM(街人A):『何を祭るも何もねぇ、てやんでぃ!』

シオン:おわっ!?

グリシーヌ:なんて人に話しかけるのよ、このドワーフは(笑)

街人A:『どこぞの貴族が、金が余るからって発散のために開きやがったんでぃ。だが、この騒ぎようじゃ発散どころか、ますます増えちまいそうだな、ちくしょう!』

ギャラック:『世の中、うまいやつもいるものよのう』

GM:『おう、では一騒ぎしてくるぜぃ! お前もどこで何が開かれているか、教えてやらぁ』ってだね、この街でどのようなイベントが開かれているかを教えてくれるよ。

シルフィー:お祭りお祭り〜♪

 東ではケーキの大食い大会、南では大酒大会、西ではバザー、北では闘技大会が開かれている。それぞれ――

シルフィー→ケーキ

 シオン→バザー〜闘技大会

 グリシーヌ→魔術師ギルド

 デビット→盗賊ギルド〜闘技大会

 ギャラック→大酒大会

――となります。

シルフィー:キャラクターはケーキに行くけど、プレイヤーは大酒にいきたい…(注1)

一同:(笑)

GM:そりゃ、ねぇ。でもケーキ大会は優勝賞金500ガメルだぞ。

シルフィー:そうね…一応ファイター1持ってるし。

GM:ファイター関係ねぇ(笑)

シルフィー:じゃあ、ケーキにレッツゴー!

GM:ここは東のケーキ会場。ずらっとテーブルが並んでいて、その上には赤や青、はたまた黄色の数え切れないような種類のケーキがブワッとあって、女の子やら子供やらがキャイキャイ言ってる。飛び入り参加ありで、すでに始まっているよ。

シルフィー:どうすればいいの?

GM:ケーキを皿ごと取って、食って、皿は持っといて……を繰り返し、合計20枚になったら優勝だ。

シルフィー:ひょい、ぱく。

 こんな感じで大食い大会がはじまった。ルールは、生命力抵抗に4回1D6を振って、20より大きくすればいい。だが、乙女の体が太ることを拒むのか、3以上の目が一度も出ずに4個目のサイコロを振る……

GM:こ…これは、全然目立ちすらしない。

シルフィー:う〜、おなかいっぱいだよぉ〜(コロコロ)4。

GM:合計で16皿食べて、限界を感じたね。もう一皿…と手を伸ばしたところ、横から美人のお姉さんが出てきて、バクバクバクバクッ『20皿!』

シルフィー:(目をうるうるさせて、優勝したお姉さんを見てる)

デビット:うまくやれば3ラウンド目には食べ終えるのにな。

シルフィー:うぅっ…出目が最悪だよぅ(涙)

シオン:出目が1・2・3・4じゃ…ねぇ。

シルフィー:えへっ、ここに来る途中に食べたカルメン焼きがきいたのにゃ。

GM:そんなん食ってたんかい。とにかく『優勝者はリディーさんです!』という声と拍手が聞こえるよ。

一同:パチパチ…(投げやり)

シルフィー:う〜、たまたまだぁ〜。絶対あんたなんかに負けるもんか〜。

GM:はいはい、TRPGは『たまたま』の連続だからね。次の人行くよ。

GM:グリグリは魔術師ギルドに行ったんだよね。

グリシーヌ:グリグリって…まあいいわ。とにかくギルドには顔つなぎと、ここに来たいきさつを話すわ。

GM(魔術師ギルドの下っ端):『それはそれは。うちのゴローヴァがそのような事を…(第三話参照)』

グリシーヌ:『ええ、そりゃもう困りましたよ』

GM:『本当にすいませんでした。これは、少ないものですが…』と、200ガメルほど渡してくれるよ。

シルフィー:本当に少ない(笑)

グリシーヌ:『いえいえ、そんないただけませんわ』200ガメルを返します。

GM:本当に?

グリシーヌ:『そんな事より、この街に組織のアジトがあるのです。何か情報はありませんこと?』

GM:『盗賊ギルドの方に、情報収集を頼んだのですが、みのりがないらしく…』

グリシーヌ:(うつむいて)『…そうですか』

GM:『お役に立てなくて、どうもすいません』

グリシーヌ:(無理した笑顔で)『いえ、お互いにがんばりましょうね!』

 こういう(カッコ内)←これの事 の行動は、プレイヤーが実際にそうやっているのです。雰囲気があるので、OFF会の時は是非お試しあれ。ちなみに対極にいるのがデビットのプレイヤー。行動宣言ばかりで、ロールプレイをしてくれないのだ。GMがリプレイ起こすのにどれだけ苦労していることか……(涙)

GM:話はこれで終わりかな? (謎のダイスをふりふり…ふむ、この目なら)では、立ち去ろうとしたグリシーヌの目に、見たことのある影が…

グリシーヌ:ん?

GM:(おどおど)『あの…あなたはもしかして…』

グリシーヌ:何でヒューイがここにいるのよ。

GM:色々あってね『ちょっと、お話を…』

グリシーヌ:別にいいわよ。

GM(ヒューイになって):『ここで立ち話もなんですから、どこか…喫茶店にでも…』

グリシーヌ:(キッパリ)『あなたのおごりですわね』

GM:『…はい。そりゃもう、なけなしのお金から(泣)』

 てなわけで、場面は喫茶店へと移る。

GM:グリシーヌにはアイスティー、自分には氷水を頼んで、本題に入るよ。

グリシーヌ:(苦笑い)

GM(ヒューイ):『グリシーヌさんは、僕のことどう思いますか?』

グリシーヌ:(おちついて)『どうと言われましても…ねぇ』

シルフィー:この男、乗り換えたなぁ(←そんなん言うなら〈光の精霊〉飛ばすなよ)

GM:『そうですか…そりゃ僕みたいな人、ぱっとしませんもんねぇ。シルフィーさんはどう思っているのでしょう…?』

シルフィー:まわりから聞いてみるという手に出たか。

 重い空気が場をつつむ。

 それだけ、GMが真剣に話をしていたということなのか?

グリシーヌ:『あまり、そういう話はしないのでねぇ』

GM:『…そうですか。えっと、では話を変えます。僕がどうしてこの街に来たのかを説明しますね』GM口調で説明すると、このたび、オランの議会で組織撲滅部隊(このパーティーの事)応援軍をつのることになったのだ。

シオン:ふ〜ん。

GM:ヒューイ君は立候補して、約10数人の部隊長になり、ここエレミアへと向かったわけだ。

グリシーヌ:それは助かりますわ。

GM『部下の方々はエレミアへ来る途中、野盗に襲われてちりぢりになっちゃいましたが』

シルフィー:なさけなひ。

シオン:使えませんね。

グリシーヌ:『あなただけでも無事について、よかったですわね』(←お? 優しい)

GM:『この話は置いといて、グリシーヌさんにお願いがあります!』

グリシーヌ:何かしら?

GM『影からでもいいです。どうか、シルフィーさんとのなか、取り繕ってくれませんか』

シルフィー:無駄な努力。

グリシーヌ:『それはいいですけど、私がとりなしたからといってうまくいくものじゃありませんわ。そこらへんは、ちゃんと頑張るのよ』

GM:『どうも…ありがとうございます!』

 てな感じで、他の人々も話が進んでいった。

シオン&ギャラック&デビット:ちょっと!

ん?

ギャラック:わしらの話はどうなるのじゃ!

シオン:そうですよ。僕なんてただでさえセリフ少ないのに。

 お前ら3人は特にシナリオに関係ないから、地の文でうめちゃる。

ギャラック:のごぁ〜。

シオン:しくしく(泣)

 ギャラックは大酒大会を楽々勝ち抜き、決勝敗退。賞金500ガメルをいただいたのち、酔ってその場で眠り込み、係員に蹴り起こされ、みなの集まる宿へと戻っていった。

ギャラック:うぐぅ。書かれない方がよかったかもしれん。

 シオンはバザーでラージシールドを勝ったのち、闘技大会でデビットと決勝であたり…負けてやんの。

シオン:のごあっ。軽い木剣じゃ、シーフの方が有利なんですよぉ。

ギャラック:う〜む、デビットめ、黙っておると思ったら一人だけおいしい思いをしておったのか!

デビット:げ、ばれた。

シオン&ギャラック:こら、まて!

デビット:おわっ、魔剣振るな、マイリーの槌振るな!

 …無駄なページを使わせおって。ともかく、おのおのうっぷん晴らしを終えたパーティーは、宿けん酒場へと集まった。

GM:夕方。宿にみんな集まったよ。

ギャラック:ひさびさに飲みつぶれたわい。

シオン:闘技大会で、デビットに負けちゃいました。ははは…(←もはや、やけである)

シルフィー:でも2位じゃない、すごいわ! …で、シオン様200ガメル貸してもらえないかしら? 何に使ったかは聞かないで。ただ、自主的に大会を7ラウンドまで続けていたとだけいっておくわ(笑)

シオン:(笑)はいはい、貸しますよ。

ギャラック:この祭りは、とある貴族が(以下略)らしいぞい。

シオン:儲かっているとはとても思えな…(シルフィーを見る)う〜ん。

デビット:盗賊ギルドであった事をいうよ。

GM:お、それで思い出した。酒場に手紙が届いているよ。盗賊ギルドからの手紙で、この後、デビット一人で裏口から出てくれ。との事だ。

デビット:わかった。では裏口から出ることを話し、出ていくぞ。

シルフィー:あ、そう。じゃ〜ね〜。

ギャラック:ん? どこかにいくんか?

デビット:盗賊ギルドから連絡があった。変死体になっていたらよろしくな。

ギャラック:マイリーの名のもとに、葬ってやるから安心せい(←どう安心しろと?)

デビット:使い魔をつけて欲しいのだが…

グリシーヌ:……。

シオン:デビットがいなくなる…ギャラックさん、今夜は祝杯です。ぱーっと飲みましょう!

 大酒大会で飲み潰れたやつを、さらに酒に誘うか!?

ギャラック:な〜に、ドワーフの底力をなめてもらってはこまる。

シオン:飲みましょう。飲み明かしましょう!

 …このドワーフは…まだ夕方だと言っているのに飲み明かすのか。

グリシーヌ:そういえば、ヒューイの連絡場所とか聞いてるのかしら?

GM:ヒューイ君は、この宿の二階でさっさと寝とるがな(笑)

グリシーヌ:…じゃ、私も寝ますかね。

デビット:ちょ…使い魔の件はどうなるんだ。

ギャラック:グビグビ…ぷはぁ。何も話しとらんわい。そもそも使い魔って何じゃ?

グリシーヌ:寝不足はお肌の大敵ですので、そろそろ本気で二階に上がりますわ。

デビット:鬼だ…こいつら鬼だ。

 んなわけで、一人デビットは裏口へと向かっていった。

GM:裏口は、暗く寂しいところでね、酒場のにぎやかな声が逆にきみを心細くさせる…そんな雰囲気だよ。

デビット:まわりを警戒しておくぞ。

グリシーヌ:塀の上ではネコがにゃ〜ご。

GM:おおっ、最近さりげなく優しいな。ともかく、赤髪、バンダナの男が近寄ってくるよ『俺の名は、情報屋のルークだ。よろしくな』

デビット:『ああ、よろしく』

GM(ルークになって):『突然だが、俺は盗賊ギルドの使いで来たんじゃない。お前個人に用があり、俺の意思で来たんだ』

デビット:距離をあけとくね。4mほど(←何がしたいんだ?)

ギャラック:また微妙じゃのう。

シオン:微妙ですね。

GM:そんなに離れていたら、小声じゃ届かないだろうが『儲け話しがあるので、聞くだけ聞いてくれ』

デビット:儲け話し…? ものによるな。

GM:(あれ…?)『うまくやれば、お前をギルドの幹部にすることができるかもしれない話しだ』

デビット:ほうほう。

GM:『俺は情報収集と解析を専門にしているんだが、どうにも戦闘が苦手でな。個人で組織についての情報を収集していたのだが、やつらの研究所を発見し、隠し通路まで発見しちまったんだ。ついで、実験台として捕らわれた人々の収集場所もな』

デビット:ほうほう。

GM:(ん? おかしいな)『この事を盗賊ギルドに話したら、捕らわれた人々の救出を頼まれたんだ。だが、先ほども言ったように俺には戦闘能力が無い。かといって、ギルドの連中は自分の出世ばかりを考えているやつばかりで、信用できない。だが、エレミアと縁の無いオランのギルドから来たあんたなら信用できる。どうだ、手を貸してくれないか?』

デビット:盗賊技能の〈嘘感知〉するぞ。

GM:(あれれれれ?)どうぞ。盗賊技能に知力ボーナスを加えて振ってみ。

デビット:(コロコロ)13。

GM:じゃあ特に嘘をついている雰囲気ではない。で、どうするよ?

デビット:『一晩考えさせてほしい。明日の夜にでももう一度来てくれ』

GM:(何で! いつものデビットなら、すぐに飛びつくのに!(注2))『わかった』と、ルークはさっていった。

デビット:では、警戒して酒場へ戻ろう。

グリシーヌ:にゃ〜ご。

 この段階で、シナリオは大きく変わってしまった。

 ともかく酒場へ戻り、次の日の朝、事情を話すこととなった(何でも、シルフィーはリディーさんの所へ遊びに行ってたもので)

GM:次の日の朝だよ〜。

デビット:朝がけ〈ラック〉ね。

シオン:うう…ちょっと頭痛いかな。

シルフィー:せっかくこう、深々と飲んでくれたんだから、生命抵抗ロールしてあげたら?

GM:じゃ、目標値10ね。

シオン:(コロコロ)9で失敗してます。

ギャラック:(コロコロ)13で成功。ピンピンしておるわ。

GM:…このうわばみがぁ!

シオン:二日酔いです。頭がガンガンします。

シルフィー:ペナルティーは?

GM:すべての行動にマイナス1な。

シオン:ぐへっ。ギャラックさん、酔いどめの魔法をお願いできますか。

ギャラック:〈解毒〉な。(コロコロ)ほれ、出目だけでなおっておるわい。

シオン:ああああ…すっきり。

GM:…こうなるのわかってたから判定しなかったんだよ。精神点減るし。さて、みんなどういう行動するんだ?

デビット:俺はルークが信用できるやつか調査してくるから、一緒の行動はできない。

シルフィー:ふ〜ん。

デビット:で、できれば誰か護衛がほしいんだけど(←どっちやねん)

GM:誰かデビットの護衛についてあげる人は?

ギャラック:保護者じゃない…

シオン:

ギャラック:こんな発言をするようになったら、もういいやと思ってのう。何だか今日のこいつ、こいつじゃないぞと。何があったんじゃ。

シオン:昨日とかすごかったですもんね。窓に鍵かけて、ドアに小枝はさんで、カーテンに隠れて寝てましたもんね(実話。長くなるので、ルークとの会話後をはしょった)

ギャラック:こいつが本物のデビットかどうか、わしは疑心暗鬼でいっぱいじゃ。

 GMも、こいつ(プレイヤー)ドッペルじゃ? とか考えたくなりました。

シオン:こいつ、こんなんでしたっけ?

ギャラック:何かが違う…何かが…

デビット:自分の命がかかっているからだよ。

シオン:これだけ立派になったんだから、一人でも大丈夫でしょう。

GM:結局どうする? ヒューイ君も騒ぎを聞きつけて、二階から降りてくるが。

シルフィー:げっ! あたしはリディーさんとの約束があるので、じゃ。

GM:ガビーン。グリシーヌさんの所に行ってしくしく(泣) (…らちがあかん。話しを進めるか)酒場の親父さんが呼んでるよ。『仕事を頼まれてくれんか』

シオン:(急にしゃきっと)どんな仕事です?

 内容はこうだ。街外れで旅人が謎の生物に襲われて、食い殺されるという事件がここ数日おきていた。そのうち腕の立つ戦士(推定4〜5レベル)を雇ってみたのだが、パックリ食われた。これは大変と、賞金額がグループ6000ガメルにまで跳ね上がったのだが、そんなもの誰も引き受けてくれない――というわけだ。

ギャラック:人情的にもそうじゃが、組織についての情報もないし、この手のものから足を捜すのがいいと思うぞい(←えらい! ちゃんとGMの心がわかっている)

デビット:それも、ギルドで調べてこようか?(←……)

ギャラック:それでも…かまわないぞい。

シオン:悪い意見じゃないですしね。

ギャラック:では行ってもらおうか。

デビット:なんか、俺ってまともだな。

GM:まともなのが、逆に普通じゃない。

ギャラック:これがわしらをはめてまで金儲けを考えていた、こやつの取る行動か?

シオン:別人ですね(注3)

グリシーヌ:その仕事は…謎の生物とか言ってたし…組織とつながりがあると思うわ。受けるべきじゃないかしら。

デビット:受けるのは調べてからでも遅くない。へたなとこ手を出して、手におえないような仕事だったら全滅だし。

 ここまで正論(っぽい)を聞かされると、GMも『そうか…?』とか思っちゃうものである

ギャラック:でもな、わしはマイリーの司祭なんじゃ。勇者と啓示を受けた者(シオンの事らしい)がここにおる。で、試練が目の前にあるんじゃよ。これはやらなきゃだめじゃろ。

シオン:…でも、ここは慎重になるべきですよ。

ギャラック:シオン殿にそう言われては、仕方ないのう。

GM:デビット、頼られまくりじゃないか。

シオン:ちょっとだけ、闘技大会で見直しました。

 この後、デビットは闘技大会の賞金をポコポコ使って、盗賊ギルドで情報を手に入れます。まず、ルークはギルド内でも信用できない人物であること。街外れに出てくる生物は、組織がかかわっていること。その生物は人型で、理性がほとんどなく、人間の子供くらいの大きさで、素早さをうりに噛みついて来ること等がわかった(何を改造したか、想像ついたかな?)

 この小型生物への対抗手段として、デビットはボーラーをしこたま買い込んだ。

デビット:盗賊ギルドにルークの始末はまかせる。ルークをしばいて出てきた情報は、後で聞かせてもらうぞ。

ギャラック:こやつ、変わったと思っとったら、まだ少し地が残っておったようじゃな。自分に害がなきゃ使ってポイじゃ。

デビット:帰る途中、つけられていないかどうか、店に入ったりして確認する。

GM:(唖然)じ…じゃあ盗賊技能と知力ボーナスで振って。

デビット:(コロコロ)14。

GM:(コロコロ)ふっ、いるさ。

デビット:じゃあ、気付かないふりして宿まで連れて行くよ。襲ってきそうなら逃げる。

GM:襲いやしないさ。もっかいサイコロ振って。

デビット:(コロコロ)13。

GM:なら、ルークが変装しているんじゃないかと思ったね。

デビット:ふ〜ん、とにかく宿に戻るよ。一階の酒場にいる仲間(シオン・ギャラック)に、ルークが来た旨を…

ギャラック:そんな事、声に出したら気付かれるじゃろうが!

デビット:いやいや、紙に書いて渡すよ。

シオン:わかりました。

ギャラック:それを読みながら、謎の生物退治の依頼は受けて平気そうだったか聞くぞ。

デビット:それについて話しながら、ルークのいるテーブルの図を描いて渡すぞ。

ギャラック:では、その依頼は受けてよさそうじゃのう。

シオン:そうですね。

デビット:やるか…

ギャラック:殺るぞっと。

シオン:やるって…ははっ、そっちですか。

 なんか予想もしていなかった戦闘に入ってしまった。状況が状況なので、パーティーを先制攻撃にさせたのだが、元々ルーク君は戦闘ができるキャラクターじゃない。シオンの一撃で白旗を揚げざるをえなかった。

ギャラック:いつもわしがデビットにやっているが如く、手際よ〜くロープでこう、クックッ…クと。

シオン:(笑)

デビット:ではでは『前回の事は嘘なんだってな。それも、お前、組織の一員だっていうじゃねぇか』

GM(ルーク):『…組織の一員? はっ、何を言っているんだ。俺はただ、盗賊ギルドの幹部になりたいだけだ。そのために、お前を利用しようとしただけのことよ』

デビット:『指が減ってもそんなセリフが言えるかな』

シオン:(あわてて)ちょっと、そういうのは上でやりましょうよ。

GM:(ちっ、拷問にでもかけようものなら、正義に燃える一般市民が飛び込めるのに)

ギャラック:わしが運ぶんじゃな。ドッスドッス。

 こんな感じで、場面は自分らの部屋へと移った。

デビット:さて…と(自称、よくダガーを抜く)

GM:ちょいまち、色々判定するから(コロコロ)なるほろ『指の一本や二本、持ってけってんだ。それで口を割るほどやわじゃないぜ』

デビット:では指に刃をあててゆっくり……

GM:『あ、待ったごめん。いやほんとわるかった。わるかった』

シオン:マスター、これは予想外の展開なのですか?

GM:(無言で首をコクコク)『さあ、何でも聞け! 聞けよおい。聞くがいいさ!』

デビット:では組織の情報を教えてもらおう。

GM:『情報ったって、俺も下っ端だからな。詳しくは教えられな…いや、教える! 教えるけどな、本当に詳しい事はわからねぇぞ』

デビット:では、研究所の場所は?

GM:かくかくしかじか。

デビット:隠し通路の場所は?

GM:ぱくぱくむにゃむにゃ。

デビット:研究所の地図を描いてもらおうか。

GM:かきかき。

デビット:(地図を見て)ここは何だ?

GM:『地下牢だ。実験用の人間を入れてあるそうだ。ちなみに開けるためのカギはなく、赤と青のスイッチがあり、赤で牢屋の扉が開き、青だと麻痺性のガスが吹き出す』(←もはや…)

ギャラック:その前にある部屋は何じゃ?

GM『見張りのいる部屋だ。すでに肉体改造を受けた「炎使い」と「氷使い」と呼ばれるやつらが見張っている』

 その他もろもろの情報が入ります。この時点でGMの頭は空っぽに。

 ルークは散々情報を吐かされたあげく、盗賊ギルドに突き出されます。裏切り者は始末されるのを知っていながら……

ギャラック:司祭として、今回のデビットの行動は許せんのう。拷問しすぎじゃ。

GM:(怒りをおさえて)デビット、お前チャザ司祭だろ?

デビット:だから?

GM:ガネードに変えろや。

シオン:幸運から盗賊の神へと変わるんですね。

デビット:〈ラック〉の効果は?

GM:んなもん、消えるに決まってるだろうが。

デビット:じゃ、このままがいい。

シオン:(声激しく)お前はチャザじゃねぇ、ガネードだ!

 このような事で、デビットはチャザからガネードの司祭へと変わりました。はっきり言って、他人の事も考えず自分のしたい行動をするデビットのプレイヤーは、嫌いです。この事でプレイが一時中断するほどでした。〈ラック〉欲しさにチャザ(注4)

ギャラックはストレスが溜まったのか、酒場で樽酒を頼んでいました。普段、穏やかなシオンとシルフィーのプレイヤーも、怒りの表情が……

シルフィーとヒューイ、それにリディーさんのどつき漫才があったのですが、ページと気力の問題で、はしょらせていただきます。

GM:ふたたび夜の宿屋。今までの情報をまとめると、研究所には人質がいる。そのため、突入の際は少数で行動しなければならない。問題は『能力者』である炎使いと氷使い。一方、街外れに出るのは子供くらいの大きさの生物。素早さがうりで、有効攻撃は魔法。

ギャラック:シオン殿の意見に従うが、わしとしては人質優先でいきたいのう。

シオン:僕も、人質優先がいいと思います。

デビット:いや、俺らの生命が最優先だ。

シオン:…まあ、そうですけど、人質の生命も優先ですよ。

シルフィー:ふっ、デビットめ、地が出てきたわね。

デビット:いや、ボスを殺すのが優先だ。頭を潰さない限り、研究所はいくらでも復活するからな。

ギャラック:復活すれば、また潰せばよいじゃろう。

シオン:人質を助けた後でも、ボスは倒せますよ。

グリシーヌ:(ドアを開けて)今帰りましたわ。

シオン:グリシーヌさん、どこに行っていたんですか。

グリシーヌ:乙女のひ・み・つ(←後で聞いたところ、魔術師ギルドでレポートをまとめていたそうだ)

GM:…まあいい。で、どうなった?

デビット:人質救出はボス暗殺と同時に行いたい。人質の方は盗賊ギルドに頼んで、俺らでボスを…

グリシーヌ:デビット、盗賊ギルドって…さっきから少数精鋭って言っていますのよ。つまり、メンバーはこのパーティーのみということよ。

デビット:じゃあ、ギルドの人達には入口の近くで待機してもらう。

ギャラック:多人数が入口の近くにおったら、普通気付かれるわい。

グリシーヌ:それに、動く人数が多ければ多いほど、情報は洩れますわ。

ギャラック:行動としては、わしらだけで研究所に行く。

グリシーヌ:そして、私は人質を優先で助ける方に賛成ですのよ。

ギャラック:これも神の与えた試練じゃ。シオン殿の意見が聞きたいのう。

シオン:僕もグリシーヌさんに賛成です。

デビット:じゃあ、今回はボスをゆずってやるよ。

グリシーヌ:ボスを倒さないとは言ってませんわ。ただ、優先順位は人質の方が上という事ですわ。

デビット:あとは炎使いと氷使いの対策だが…

ギャラック:なに、わしの〈プロテクティブ・サークル〉があればダメージを2点も防げるわい!

シルフィー:あ…小さな化物の方だけど、朝まで行動は待ってくれる? あたし、今リディーさんの所にいるから。

GM:みんないいかな? じゃあ次の日の朝だ。

 翌朝事情を説明されたシルフィー達は、街道へと向かいました。

GM:(コロコロ)サイコロによると、朝8時から待ち伏せて夕方5時に現れるよ。

ギャラック:やっとか。

シオン:OK。戦闘開始ですね。

1ラウンド目

GM:(図を描いて)いつの間にやらこんな感じで生物5匹に囲まれてた。

シルフィー:ん? こっちの人数が多いにょ。

GM:…いや…ヒューイ君いらないなら消すけど。

シオン:せっかくですから、いさせてあげましょうよ。

シルフィー:せいぜい死なないようにね! 期待してないから(笑顔)

GM:ともかく、こっちの敏捷度は22だよ〜ん。

シオン:そちらが先ですね。

GM:子供の大きさの生物は、全員移動攻撃。1人だけくらわない人がいるけど、守られているのは誰?

ギャラック:シルフィーでいいじゃろ。

GM:わかった。(コロコロ)シルフィー以外の人は7で避けて。

シオン:(コロコロ)なめられたものですね。成功です。

グリシーヌ:(コロコロ)皆さん避けたようですわね。

GM:二回攻撃なんで、もっかい避けて(コロコロ)11で。

グリシーヌ:(コロコロ)あたりました。

GM:ダメージ10点な。

グリシーヌ:(コロコロ)止まりましたわ。

デビット:なかなか痛いな。

GM:痛いんか? 10点が。

シオン:痛くはないでしょう。

デビット:俺には痛いの!

 戦闘はリプレイだと長いんで、好例の地の文で埋めさせていただきます。

 シオン・デビット・グリシーヌ・ギャラック、みんな出目が悪く攻撃を当てることが出来ない。シルフィーは精神点の温存を考え、応援している。

シルフィー:シオン様がんばってぇ〜。

シオン:はいっ!

 まとめると、攻撃を当てることが出来たのは意外にもヒューイ君のみ。謎の人型生物にダメージを与えます。

 ちなみに、ヒューイ君のサイコロ担当は希望によりシルフィーのプレイヤーです。

2ラウンド目

 デビット・ギャラック、が攻撃をくらいます。デビットはちみっとダメージを受けただけですが、ギャラックは前回に続き今回も防御ロールで1ゾロ! 直で12点のダメージを受けます。

ヒューイ:あたってたまるか。避けてシルフィーさんにかっこいい姿を見せてやるぅ! (コロコロ)避けた! シルフィーさん、見ました?

シオン:いきま〜す。(コロコロ)15。

GM:(コロコロ)あたったよ。

シルフィー:キャー、シオン様〜!

ヒューイ:がびーん。

シオン:(コロコロ…)15点です。

GM:のごあっ! なしてそんなにでかい?

シルフィー:シオン様すてき〜。

ヒューイ:しくしく。

 この後は、サイコロが呪われているのかGMとたして期待値になっているのか、誰も攻撃を当てることができません。

3ラウンド目

 謎の生物の攻撃はGMの爆裂したサイコロのおかげで17であった。こんな目、誰も避けられるわけがなく、ポンポン生命力が削られていきます。特にグリシーヌは防御ロールで1ゾロ! …GMは心臓ドキドキものである。

シオン:(コロコロ)15です。

GM:(コロコロ)あたり。

シオン:(コロコロ)10点です。

デビット:やったか?

GM:(計算して)おしい。ピクピクしているけど、まだ戦えるよ。

シルフィー:(計算している)4だから…2で…よぉし。みんなの攻撃に期待するわよ。5倍がけで〈ファイアボルト〉を使うわ。

GM:ほい。一律で11以上を出してね。

シルフィー:いっけーメラメラぁ〜(コロコロ)成功×4 失敗×1。ダメージは9・9・10・9、最後はある意味10点(笑)

GM:最後は1ゾロね。でも今のでシオンの前のがくたばったから、結果オーライ。1匹死んだので、残りのやつらは『にゅ〜』とかいって逃げ出すよ。

ギャラック:てかマスター、まだこちらのラウンド終わってないから。

シルフィー:1、2、3、4…ほら。

GM:…あらま本当に。じゃあ次ラウンドの頭に逃げるから、その間にやれるもんならやってみな(余裕)

4ラウンド目

 ヒューイはずれ、デビットはずれ。グリシーヌは〈〉で1匹殺し、ギャラックは〈〉を3回もまわして1匹殺し…謎の生物は2匹しか残らんかった。

GM:あぶないあぶない、本当に殺される所だった。残った2匹は逃げるよ〜。

デビット:逃げるやつにボーラー投げていいか?

GM:そやね…このラウンドは飛び道具ならあたる事にしよう。

 GMとしては、この生物達には逃げてほしいのだが…そこはほれ、何もできんと逃げられるのはプレイヤー達がかわいそうかな…なんて思ったのがよくなかった。

シルフィー:じゃあいくわよ〜『やっちゃえ、メラメラ!』(コロコロ)〈ファイアボルト〉は10ね。

GM:(コロコロ)抵抗したよ〜。

シルフィー:(コロコロ)ダメージは10点!

GM:う〜ん、おしいな。あと1点なのに(注5)

シルフィー:残念…パタリ(←精神力使いはたした)

デビット:ボーラー投げる(コロコロ)はずれた。このサイコロ、やっぱり呪われてるぞ(笑)

GM:残りはグリシーヌとギャラックのみだな。

グリシーヌ:声量をおさえて呪歌の〈マーチ〉を歌いますわ。これでグラランもどきよりも速くなりますわよ。

GM:どうぞ。効果は次ラウンドからだけどな(攻撃の時点で〈マーチ〉の効果範囲から出なきゃいけないから、移動のとたんに敏捷度が落ちて終了だな。ケケッ)

グリシーヌ:ではギャラックさん、このラウンドと次ラウンドに〈フォース〉で攻撃して下さいね。

GM:ガビーン。なるほど、それなら攻撃回数が増えるのね。

 この後、ギャラックの有り余る精神力で倍掛けしまくった〈フォース〉をくらい、グラランもどきの後をついていってもらい、研究所になだれこむというシナリオも、ポシャリました。ついでに、シオンとヒューイのどちらがシルフィーを起こすかというサイコロの振り合いは、シオンが勝ち、ヒューイは男泣きしていました。

シオン:ほらシルフィーさん、しっかりして下さい。

シルフィー:う〜ん、はっ! シオン様! ポッ。

ヒューイ:しくしく(激涙)

 グラランもどきの死体を街へ持ち帰り、魔術師ギルドで鑑定してもらいます。

 そして次の日…

GM:報酬なんだが、最近無料宿泊が多かったので5000ガメルをわけてくれ。

デビット:じゃ、1人1000ガメルか。

GM:…ヒューイもらえず。

デビット:とかく、魔術師ギルドでわかった事はないか? グラランもどきみたくなった奴を元に戻す方法とか。

GM:んなの1日の鑑定でわかるか!

グリシーヌ:というのはですね、作る事はできても、戻す事は難しいのですよ。

デビット:これがわかれば、邪眼のガキが元に戻るかもしれんと思ったんだが。

シルフィー:(声高く)サリフォンちゃんに謝りなさい!

シオン:僕も、剣を抜きますよ。

デビット:なぜ? 元に戻るかもしれないと言ったのに。

シルフィー:元に戻るかもしれない? 何を言っているの、元に戻すのよ!

シオン:剣を構えてデビットの目の前に立っています。

デビット:わかった。元に戻そう。

GM:(ふむふむ、こうしてポイントを稼いでいるのか)

ギャラック:では奴らの研究所に攻めに行こうではないか。

シオン:ええ、行きましょう!

 なんかテンションの上がったパーティーは、ルークの言っていた抜け道を通って研究所へと入っていった。

ギャラック:ではデビットよ、おぬしの力を見せるのじゃ。

デビット:カギ開け、いい目出ろ!(コロコロ)いい目出た。

GM:17? カチリ…ギィ〜。中に入ると階段から落ちたのだろうか、男の人の死体があるよ。

デビット:鑑定する。

GM:セージで振ってね。

デビット:(コロコロ)目が死んでる。

グリシーヌ: (コロコロ)同じく、最悪ですわ。

シオン: (コロコロ)1番大きいのが、僕の11ですか。

GM:なら、直接の死因は階段から落ちたことによる、延髄骨折だね(もうちびっといい目出せよ)

デビット:階段に仕掛けがないか調べる。

GM:んなもんない。

シオン:待っていた人が落ちた…? わからん。

デビット:死体の所持品とかも調べるけど、何かない?

GM:特にこれといった物はないよ。

デビット:ルークはこの先の扉に罠があるとか言ってたか?

GM:いや。

デビット:言ってなくても、あるかもしれないからな(コロコロ)9。

GM:ドアを調べたんだよな? 罠はないと思ったよ。

デビット:ではカチリと。

GM:(にやり)部屋の中にはグラランもどきが1匹いる。そしてデビットに向かって攻撃してくるよ。

デビット:(計算して)5点くらって…2発目もくるのかな?

GM:いやぁ、そんなに鬼じゃないよ。わしは。

デビット:じゃあ、戻る。誰か前を代わってくれ。

GM:戻るって、ドアから手を離すのか?

デビット:そりゃまあ、じゃないと後方に下がれないんで。

GM:ならドアを開けてグラランもどきは攻撃してくるよ。

シルフィー:急がないと。

デビット:急いでなんとかしてくれぇ。

シオン:僕が前に出ます。

GM:階段は1人がようやく上り下りできる横幅なんだけど。

ギャラック:どうやって入れ替わるつもりじゃ?

グリシーヌ:…ふっ。

GM:一生懸命階段を下りて、部屋に戻ってから入れ替わるしかないねぇ。

デビット:階段の長さは?

GM:転げ落ちたら延髄が骨折する程度。

デビット:だからか。普通に下りるしかないな。

GM:じゃあ一撃くらって。

デビット:俺に死ねと?

GM:別に言ってないよ。

ギャラック:おぬしの行動が、死ねといっておるのじゃよ。

デビット:防御ロールは(コロコロ)…生命力マイナス4。

GM:……(さっき何で聞き耳しなかったんだよぅ)

 階段から転げ落ちたデビットは、死体のクッションのおかげで何とか生き残ります。グラランもどきはその姿を追い部屋に飛び込みますが…このパーティーに囲まれて助かるわけがない。あっという間に殺されました。

ギャラック:デビットよ、おぬしの命は無駄にはせんかったぞ。

シオン:生きてますから(笑)

シルフィー:回復させてあげないと。回復…あたしはする気ないけど。

ギャラック:してあげないと…って、わしがやるんか。(コロコロ)9点回復じゃ。ついでにヒューイは8点じゃ。

デビット:全回復っす。

ヒューイ:ありがとうございますぅ(シルフィーさんがよかったなぁ)

ギャラク:ともかくこの研究所の見取り図を持っとるのはおぬし(デビット)なのじゃから、しっかり案内せい!

デビット:え〜と…

 地図がありゃ、迷う心配もない。デビットを筆頭とするパーティーは、さっさと炎使い、氷使いの部屋の前までたどりついた。

GM:扉には『地下牢への案内役受付所』と書かれている。

シルフィー:なんて安易な。

デビット:罠がないか調べる(コロコロ)13。

GM:OK。へたに開けると警報が鳴るところだったよ。

デビット:解除(コロコロ)15。

GM:解除したよ(つまらん)

デビット:鍵開け(コロコロ)13。

GM:開いたよ。

ギャラック:では、炎と氷のプロテクティブサークル、どちらがええかのう? 同時にはかけられんぞ。

デビット:炎の方は範囲攻撃があるっぽい響きだな。

ギャラック:おぬしを信じるとするか〈〉じゃな。

シオン:えと、効果は一人ですか? 範囲ですか?

ギャラック:範囲5メートルじゃ。わしから離れるでないぞ。

GM:ギャラックは前で戦う気なんだよね? わかりやくす、後列の人は範囲外という事で。

グリシーヌ:みなさん、私は前と後ろどちらで戦うのがよろしいですか?

デビット:ソーサラーとファイター、どっちが高い?

グリシーヌ:そりゃソーサラーですわ。

デビット:なら後列がいいな。

ギャラック:でもな、攻撃力修正はわしより1多いんじゃ。ダメージ修正はわしより1少ないがな。

グリシーヌ:ついで前回にもらった魔法のローブがあります。回避+1、ダメージ減少+3の。

デビット:やっぱり前列かな(笑)

ギャラック:では突入するぞい『〈〉!』ドンッ!(←扉を蹴破る)

GM:では扉が開いた瞬間、炎の波が飛んでくるよ。

一同:……。

GM:そりゃまぁ、鍵開けしたり罠解除したりした後こんだけ話してりゃ気付かれるわ。ダメージ8点、抵抗したなら4点、〈〉でさらに2点軽減していいよ。ただし鎧の防御力は効かないからな!

 ふははははっ! いきなりダメージを与えての戦闘開始だが、とんでもない事に気付いてしまった。パーティーのLVは3〜4。つまり抵抗したら効果がないのだ(!) う〜む、ぷろてくてぃぶさーくる恐るべし。

1ラウンド目

 シオンが氷使いに移動攻撃を当て、13点のダメージ。シルフィーも氷使いに〈ダイアボルト〉を撃とうとするが、1ゾロ。デビットも弓を撃つが、装甲を通せず。ヒューイも1ゾロ(NPCのくせに)。やっぱりサイコロに呪われているパーティーであった。

グリシーヌ:〈ライトニング〉を氷使いに(コロコロ)15。ダメージで出てほしいのに。

GM:そんなん抵抗できないってば。

グリシーヌ:(コロコロ)ほら期待値。ダメージ10点です。

デビット:痛いぞ〜。

GM:確かに痛い。前線のくせに魔法使いやがって…で、次の人は?

ギャラック:わしじゃが…移動攻撃はマイナス4じゃな?(うちの地方特産ルール)攻撃力修正が3じゃから、命中率は…マイナス1!?

シオン:そうですね。

GM:(笑)0でいいよ。

ギャラック:ふむ(コロコロ)7じゃ。

シオン:それじゃあたりませんよ〜。

GM:(コロコロ)確かにそれじゃあたらん。次は?

シルフィー:そっちだよ。

GM:どうも。では炎使いは炎の矢(←ファイアボルトじゃないよ)を飛ばすよ。ちょうど6人いるからD6振って(コロコロ)え〜と、ヒューイじゃん。

ヒューイ:はい、僕ですねぇ。

GM:NPCにあててもつまらん(コロコロ)12で回避して。

ヒューイ:(コロコロ)ふっ、そんな攻撃シルフィーさんの前であたるわけにいかな〜い!

GM:つまらん。

 氷使いもデビットに氷の矢を飛ばすが、2点しか通らず。う〜む、やっぱりシナリオのバランスが悪いなぁ〜。

2ラウンド目

シオン:(コロコロ)18です。

デビット:避けられるわけがない。

GM:(コロコロ)その通り。ダメージは?

シオン:(コロコロ)まわって…

GM:あ、死んだから。

シオン:はい?

GM:装甲点が7、残り生命力が2。これでどう生きろと?

シオン:ダメージボーナスで9ありますのでね。

デビット:ダメージボーナス9って、このハーフエルフ何者。

シオン:だって、剣のボーナスで+3ありますから。

ギャラック:なに、それ以上に我が勇者殿は努力しておる(シオンはファイター1本のばし)のじゃよ。

GM:シオンに斬られた氷使いは『あ…後は頼んだぞ、炎の…』ぱたり。炎使いは『え、まじ? 俺一人かよ!? 氷の、起きんかー!』って(笑)

シオン:降伏します?

GM:いやぁ、このレベルの研究員は『腹の虫』(第三話のゴローヴァ参照)がいるんで。降伏なんかしたら死んでしまう。

シルフィー:かわいそう…

シオン:仕方ないですよ。早く僕達の手で楽にしてあげましょう。

 この後は炎使いの必死の攻撃により、デビットが生死判定(ギリギリ成功)に追い込まれるが、なにせそれでも5対1。3ラウンド後にはシオンに殺されました。

シオン:ふぅ。後味悪いですね。

シルフィー:でも今回のプレイおもしろ〜い。

ギャラック:前半苦労したが、後半の戦闘でヒューイが熱いのう(←まさか戦闘がことごとくカットされているとは思わないよな〜)

ヒューイ:ははは…もう、どうにでもなってください。

 ページ数がやばいのでカットしたが、あまりのも惜しいので少しだけヒューイ戦記を書く。2ラウンド目、サイコロの目悪く、しかしなんとか当たったダメージも少ない(サイコロで言うと2D6=3)その時の言葉『シルフィーさん! 見ててください(コロコロ)見ないでー!!』で、次ラウンドにシルフィーが撃った矢が1ゾロ! 楽しいので仲間の誰かに当たる事にして、サイコロ振らせたらバッチリヒューイ。しかも防御ロール1ゾロ。敵からではなく、味方から…というかシルフィーからダメージをくらっていたのだ(しかも死にそうな上、ヒューイのサイコロ係はシルフィーのプレイヤー)

GM:ほい、余談はこれくらいにして進むぞ!

シルフィー:よだん?

GM:いいの、気にしないで。地下牢へと続く階段を下りていくと、そこは静かで、暗く、人がいるとは思えない場所だよ。

シオン:ん? 人がいない?

GM:いや、いないわけではなく、いるとは思えない…つまり人の気配がしないわけで……

デビット:そんなん知るか。とにかく赤と青のボタンを探すぞ。

GM:(せっかちだなぁ)なら物音がするわけだ。その音に反応したのか、牢の奥から女の声が聞こえてくるよ。『私はどうなってもかまいません。ですからみんなは…村の人達は助けて下さい』一応言うけど、君達に言ってるよ。

シオン:誰でしょう?

GM:長い黒髪の美人で、目に包帯を巻いている20代の女性だ。

ギャラック:安心せい。わしらは研究員ではない。おぬしらを助けに来たんじゃよ。…GM、牢には他に誰かいないのか?

GM:見たかぎりはいないね。

ヒューイ:人質さんはどこに行ったんでしょう?

シルフィー:どこ?

GM:女の人はリーザと名乗り『実は……』

 なんら、NPCの会話って無駄が多いんでよろしくないね。まとめると、彼女の名前はリーザ。とある村で兄、自分、弟の3人暮らしをしていたそうだ。兄の名前はツシエ。優しくて強いお兄ちゃんだったそうな。弟の名前はサリフォン。第三話のあの子である。村で貧乏だが幸せな家庭を送っていた彼女らを、今から1月前に悲劇が襲った。村が『貪欲なる魔の神』という組織に襲われたのだ。若者達の必死の抵抗もむなしく、老人達は焼き殺され、若者達はここへ連れてこられたのだった。

GM(リーザ):『兄と弟は実験され`成功`しました。が、弟は記憶を失い…』

シルフィー:安心して! 弟さんは今、安全な場所にいるわ。

ギャラック:じゃが、どうして弟は逃げ出せたんじゃ?

GM:『私は…奴らに遊び的に実験されました。私の『能力』は魅了の視線。私の目を見た生物は、理性を失うほどに…その…欲情してしまうのです』

グリシーヌ:それなら、私とシルフィーは平気ですわね。

GM:『いえ、同性にも効果があります』

グリシーヌ:……。

GM:『私の『能力』で見張りを魅了し、逃げました』

デビット:あの炎と氷の奴ら、なんともお粗末だな。

シルフィー:じゃあ、なんであなたはここにいるの?

GM:逃げているときにルークに捕まったんだよ。街でリーザさんはちょっとした悲劇に巻き込まれたんだが…元々パクリネタ(注6)だったし、これ以上追い詰めるとかわいそうなんで今回はなしね。

グリシーヌ:パクリネタ…

デビット:GM、ボタンはまだ見つからないのか?

GM:そうだった。ボタン…(デビットに)サイコロ振りたいか?

デビット:振っていいなら振る(コロコロ)11。

GM:え…それじゃ見つからないじゃないか。もうちょっと話すから、その間に探してて。

 こんな時に限ってサイコロの目は悪いもの。デビットの判定はことごとく失敗しているのであった。

デビット:3回目も失敗?

GM:う〜む(なぜだ〜! 1回ごとに達成値下げてるのに)これだけ時間が経ったら…階段の上のほうから声が聞こえてくるよ。

シオン:誰です?

ギャラック:研究員じゃろ。

GM:その通り。こっちに来いみたいな事を言ってる。

ギャラック:シオン殿、どうするかのう?

シオン:ここにいたらリーザさんを巻き込んでしまいます。

グリシーヌ:それに、ここでは集団戦闘ができなくてよ。

GM:じゃあ階段を上ったよ(ふぅ、ようやくまとめられる)

 どしどし予想外の展開になっていく。まあ、これがRPGの特徴だからしょうがないのだが。ここで予定の行動を起こそうとするからプレイが狂っちゃうわけで…。

 ともかく現れたのはここの研究所のボス役、『研究所長』である。20代前半の黒髪男で、オールバックの髪と眼鏡がなんともむかつく兄ちゃんだ。

GM:『よくぞ俺様の仕掛けた罠を突破したな。まずはほめてやろう』

シルフィー:罠?

グリシーヌ:罠って…位置も仕掛けもルークに吐かせましたから、突破もなにもねぇ。

GM:それじゃない! ルーク自体が罠だったんだが…気付いちゃいないか。『時にそこの盗賊』びしっと指差すぞ。

デビット:ん? 俺?

GM:『そうだ。どうやらお前はなかなか優秀なようだな。どうだ、俺様の部下にならないか?』

シオン:…裏切りますね。

シルフィー:むしろ裏切ってくれたら殺せる理由ができてよし(笑)

デビット:何の見返りもなく部下をやる馬鹿がどこにいる。

GM:『ならばこれをやろう』デビットの足元に腕輪を投げてくるよ。『これは〈気弾の腕輪〉といってな、それをつけて念じればお前のような者でも特大の気弾を飛ばせるようになる。それで仲間を殺すのなら、我が幹部にしてやってもよいぞ』

ギャラック:ああ言っておるが…おぬしの考えはおぬしが決めるべきじゃな。

デビット:(かなり悩んで)黙って投げ返す。

シオン:お? 成長しているみたいですね。

デビット:(あとでこっそり拾えばいいやな)

GM:ならば戦闘だ。『エレミアの者よりも一足早く死ぬがいい!』

ギャラック:また気になるところで戦闘じゃのう。

 やっとラストバトル。時間も遅くなったので早めに終わりたいな…と思ったのが運の尽き。とんでもないことに。

シオン:こちらからでいいですか?

GM:どうぞどうぞ。

シオン:では(コロコロ)16。

GM:そんなの避けられるわけないじゃん(コロコロ)どうぞ。

シルフィー:きゃー、シオン様すてき!

シオン:まかせて下さい(コロコロコロコロコロコロ……)

GM:ちょっと待て!? 一体いま何回サイコロ振った?

シオン:4回まわりました。

一同:(ざわざわ)

シオン:ダメージは38点です。

GM:(必死に計算して)し…死んでるぅ。

シルフィー:シオン様ぁ! 素敵すぎるぅ。

ギャラック:さすがは我が勇者じゃな(笑)

GM:(まだ計算してる)期待値が…レベルは調整できているはずで…うぐぅ。

 なったものは仕方ない。私もGMのはしくれ、キッパリと諦めました。

GM:『さすがに強い…な。あの方が恐れる…わけ…だ』研究所長は息もたえだえで話すよ。

ギャラック:こういう情報は重要じゃから、よ〜く聞いとくんじゃぞ(笑)

シルフィー:は〜い。

GM:『だが…エレミアの奴らも…道ずれだ。改造された生物達に殺されるがいい。っははは……』ぱたり。

シオン:どういうことですか?

GM:えっと、リーザさんのいた牢屋が空っぽだったろ? あの中にいた人達が改造されてて、その軍勢がエレミアに攻めているというお話しでして。

ギャラック:それは…急がんといかんではないか。

シルフィー:リーザさんを助けて早く行きましょう。

デビット:さっきの腕輪を拾うのが先だ。

ギャラック:(あきれて)おぬし…そのようなことを考えておったのか。

GM:腕輪? さっきの攻撃で壊れたよ。

デビット:がびーん。

シオン:腕輪はどうでもいいですから、はやく行きますよ。

GM:あっと、ボタンは見つかった事にしていいよ。

デビット:なんだ。じゃあさっさと青いボタンをポチッと。

ギャラック:な…おぬし!?

GM:青いボタン? 麻痺ガスが飛び出しますな。目標値18の。

シオン:18!? 寝ろって事ですか。

ギャラック:わしでかろうじて成功するかどうかじゃな。

GM:いや…だってシナリオでは最初の頃に押してもらって、寝る事になってたから。

グリシーヌ:なにも最後にひっかからなくても…

GM:本当だよ。

 こんな抵抗、成功するはずもなく全員寝ました。

シオン:エレミアの人達…ピンチですね。

GM:はは…知るかよ、もう。

 予想外の展開にGMもたじたじ! どうなるエレミア! どうするプレイヤー! 事態急展開の次回を待て! 第五話 完

 GMのもくろみ〜 失敗。はっきり言って失敗である。予定ではルークに乗ったデビットが仲間を誘い研究所へ。ルークの(言うはずだった)青いボタンを押し、リーザを人質に対談、そしてデビットへの裏切りの誘い…となるはずだったのだが。

 ま、次回をがんばればいいさ。

 てなわけで第六話「消えたシルフィー(仮)」をお楽しみに!

(注)について

シルフィー:キャラクターはケーキに行くけど、プレイヤーは大酒にいきたい…(注1)

GM:(何で! いつものデビットなら、すぐに飛びつくのに!(注2))

ギャラック:これがわしらをはめてまで金儲けを考えていた、こやつの取る行動か?

シオン:別人ですね(注3)

〈ラック〉欲しさにチャザ(注4)

GM:う〜ん、おしいな。あと1点なのに(注5)

GM:逃げているときにルークに捕まったんだよ。街でリーザさんはちょっとした悲劇に巻き込まれたんだが…元々パクリネタ(注6)だったし、これ以上追い詰めるとかわいそうなんで今回はなしね。

 それぞれ(注1)はプレイヤーとキャラクターは別物と考えるべきかというものだけど…ネットの場合は完全に別物と考えざるをえない。実際のプレイ時はキャラクターとプレイヤーが混同する場合があり、なかなかに複雑である。

(注2) この場合は(注1)と似ている。最初の頃は無茶苦茶なプレイをしていたデビットだったが、散々他のプレイヤーに注意されたのだ。ところが、月日が経つとその頃のデビットの動きがデビットそのものだと思い、しかしプレイヤーは成長したのでデビットらしい動きをしなくなったのだ。ややこしいが、実時間の時が流れてキャラクターの性格が変わってしまったという事だ。私も最初の頃はそうだったような気がするが…RPGの初心者によくある事なのだろうか?

(注3) 注2の実例である。GM以外にもデビットの性格が変わったと思っているプレイヤーがいたのだ。

  1. …皆様はどう思われます? 特に司祭キャラを使っている方。

(注5) これはGMが敵の残り生命力を言うというもの。私はノリでよくやるのだが、他ではどうなのだろうか?

(注6) パクリネタ。よくシナリオではこうなる。今回、リーザさんの場合は「キ○ンディー○イムス」という雑誌に載ってた漫画の内容から能力を取らせていただいた。GMの皆さん、パクッてますか?

 では、また来月会いましょう。